2015年10月26日

ドイツ−イタリア公演行ってきました

2015年秋は遠征の日々でした。ブログを更新するヒマもなし。しかし遠征がなかったら更新したかというと微妙なんですけど。

ともかく、まずはヨーロッパ公演のご報告を。ドイツとイタリア公演に行ってきました。

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イタリア・ポルデノーネにて。合成ではありません(笑)

活動写真弁士・片岡一郎さんの呼びかけで集まった、上屋安由美(ピアノ)、田中まさよし(パーカッション)、私・宮澤やすみ(三味線)の和洋折衷楽団。合計4人でのツアーです。
片岡さんはドイツ・ボンを拠点に、無声映画(サイレント映画)の弁士としてご活躍。今回も日本の無声映画をドイツ、イタリアで上演し、3人のミュージシャンが生で演奏をつけるのです。

1.ドイツ公演

こちらはドイツ・デュッセルドルフの映画イベント「Eyes on Japan」にて。
(写真はEYES ON JAPANのFacebookから)

Benshi & Musiker

Posted by Eyes on Japan on 2015年10月2日


在ドイツ日本領事館の主催で行われた、EYES ON JAPAN(日本映画週間)のオープニングを、我々が飾らせていただきました。
演目は、日本でももっとも古い(?)アニメ「太郎さんの汽車」、大河内傅次郎が鼠小僧を粋に演じる「御誂治郎吉格子」。
はい、後者の作品は3年前のフランクフルト公演でもやった作品です。

どちらも片岡さんの十八番の作品で、我々楽士陣も、この回は調子がよかった!
音楽をやっていると、ごくたまに「音楽の神が降りてくる」感覚を得ることがありますが、今回はまさにそれ。
自分が演奏しているのに演奏してる実感がなく、なにかもう音楽がその場にあって、自分はそれに乗っかってふわふわ楽しんでる感じ。
なにかすごいことが起きている!という実感があり、他のメンバーも後で「いやすごかったね」と言ってたし、それをお客さんたちも感じ取って、会場のボルテージがどんどん上がります。
終演後の鳴りやまない拍手が証拠です。この場にいないと感じられない、得も言われぬ貴重な映画体験、音楽体験なのでした。

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ドイツではビール飲みまくり


2.イタリア公演

イタリアは、Pordenone(ポルデノーネ)という街での無声映画祭に出演。
ポルデノーネ映画祭と言えば、世界の無声映画業界の一大イベントなんです。
まがりなりにも、世界レベルの大舞台に上がることが実演したんですよ。これは掛け値なしに大変なことであります。

街の大きなヴェルディ劇場では、一日中無声映画を上映、各国のミュージシャンが映画に生伴奏を付けます。
無声映画だから、音を生で付ける。映画だけど音楽ライブというところがおもしろい。
音楽をやってる身なら、無声映画の伴奏の面白さ楽しさに、誰でもハマっちゃうんじゃないでしょうか。私は完全にハマっておりますね。

劇場を下見。左から上屋安由美さん、宮澤やすみ、片岡一郎さん、現地でいろいろお世話になったヨハンさん(日本語ペラペラ)

Hello from #IchiroKataoka #GCM34 #PordenoneSilent #silentfilm #Pordenone #Benshi

Posted by Le Giornate del Cinema Muto on 2015年10月4日



さて、腕利きの音楽家がイタリアの小都市ポルデノーネに集結し、腕を競う。欧米中心の顔ぶれの中で、日本からは私たちだけ。
上演前からいろんな人に「楽しみにしてるよ!」と期待され、ハードルが上がる。上演時間は、映画祭のゴールデンタイムにあたる、20:30から。

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オーケストラピットに入って演奏します

上演作品はドイツと変わって、長編の「忠次旅日記」。これも大河内傅次郎主演で、国定忠次(忠治)の凋落と子分たちの美しき絆を描く、破滅の美と言いますか深い内容の長編です。
三味線、ピアノ、さまざまなパーカッションで、映画の世界を表現しました。
ぼくらの演奏が受け入れられるか、心配でしたが、結果、大喝采!
終演後のお客さんの輝いた目。写真撮ってくれの嵐で動けない。さすがイタリア人です素直に感情を出してくれます。
重鎮の音楽家さんも「いや〜面白かった」「こういうやり方もあるんだ」とわざわざ後で来てくれました。

欧米の方、とくにピアニストは、全編弾きまくりで映画の間(ま)を埋め尽くしますが、我々日本の楽士は、間を活かすやり方。
いかに無駄な音を削ぎ落とすかに視点を置いてますから、沈黙を怖れず、ギリギリのところまで音を出さない。
そんないかにも日本風なやり方が、ヨーロッパの人たちにも受け入れてもらえたようです。

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映画祭の主宰David氏と記念撮影
(田中まさよしFacebookより)

この大舞台を務めたことは、自分のキャリアのなかで非常に大きなステップになりました。
ほとんどピアニストと打楽器の人ばかりのなかで、自分一人が着物で三味線、もんのすごく目立ったと思います(笑)。
しかしまだまだこのメンバーでやり残したこともあるので、機会あればまたここに戻ってきたいと思います。

このツアーに向けて奔走してくれた片岡一郎さん、どうもありがとうございました!
一緒にがんばった上屋安由美さん、田中まさよしさん、どうもありがとうございました!
ドイツ、イタリアの受け入れ側スタッフ皆様、そしてご来場のみなさんも、Vielen Dank & Grazie Mille!!

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ポルデノーネのシンボル・旧市庁舎


3.こぼればなしとボン滞在

じつはデュッセルドルフからポルデノーネへ行く道中がきつかった!
ヴェネツィア空港への飛行機が直前で欠航。空前の大行列のせいで代替便にも間に合わず、10時間以上空港で足止め。へとへとになりましたよ。

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これ、一人旅だったらめげてたよ……

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ヴェネツィア空港の荷物引取コンベアは、ルーレット仕立て


デュッセルドルフ入りの前に、ひとりボンに滞在しました。ひとりと言っても、片岡さんはじめ友人たち(これも3年前のドイツ公演がきっかけ)がいて、宿泊も友人宅なのでぜんぜん一人じゃないんですが。
ちょっと感動しましたね。というのは、3年前の音和座フランクフルト-ボン公演で訪れた街に、また来られたという感慨が深く、3年前に演奏したボン大学の壮麗な建物を見てジーンと来ちゃいました。いや〜この3年間、ホントいろいろありましたよ。演奏の腕もそれなりに上がったと思いますよ。

で、やりたかったことが一つ、せっかくドイツに来たので、「ドイツで都々逸」というダジャレを本当に実行してみたかったんですね。
ライン川のほとりで、友人に向かって都々逸をいくつかチントンシャン。ボン大学のゼミ室にも押し入って、小唄をやってきました。隅田川の歌を、「ライン川」に変えて歌ったりね。
突然押し掛けたんですが、友人のはからいもあり皆さん楽しんでいただけました。この日は私の誕生日。こんなに仲間に囲まれたあたたかい誕生日は初めてでした。


そして、帰国後はすぐ秋田公演、都内神楽坂をはさんで、鹿児島と遠征が続くのでした。それはまた別記事で・・・。


●今回のツアーが、毎日新聞に載りました!
 「活動弁士:練馬の片岡さん、来月イタリアで無声映画祭出演 「忠治旅日記」解説 和洋折衷楽団の「音和座」と共演 /東京
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20150921ddlk13200033000c.html


●EYES ON JAPAN 日本映画週間サイト
http://www.eyesonjapan.de/dt/d-program/dpr2015/d15-details/d15-progr01.html


●LE GIORNATE DEL CINEMA MUTO
 35th Pordenone Silent Film Festival
 我々の演目が載っているページ
http://www.cinetecadelfriuli.org/gcm/giornate/questa_edizione.html


 

 
posted by 宮澤やすみ at 15:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小唄・三味線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする