2018年11月07日

僕と小唄と「かぐらむら」

タイトルは、今やってるドラマのパクリですが……ともかく、
神楽坂のタウン誌『かぐらむら』が、100号を最後に休刊となりました。

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まちの人なら誰でも知ってる、神楽坂の情報誌で、地域のイベント情報から、街の名士によるエッセイなどもあって、なかなか読み応えあるものでした。

じつは、今のぼくがあるのは、まさにこの『かぐらむら』のおかげでして、ぼくの人生に大きく影響を与えたタウン誌であります。
なんて、大げさな書きようですが、ホントなんです。

ぼくがこの界隈に住み始めたのが1994年のこと(うわ、もう24年も昔だよ……)。それからいろいろあってフリーランスになってすぐの2003年。『かぐらむら』はまだお店情報メインの薄いものでしたが、そのころライター稼業をしていたぼくは、編集のお手伝いをさせてもらうことに。
取材ライターとしてお店の紹介記事を書いたりしていたなか、編集長の長岡さんから、小唄の家元さんを取材するよう指示をいただきました。

それが、この後ぼくの小唄の師匠となる、扇よし和家元なんですけど、この出会いによって、若いうちから趣味で小唄を聴いて、三味線を独学で弾いていたぼくが、小唄の世界に入門することになったのでした。
以降は、ライター仕事をしながらの修業時代。その間、三越劇場や国立劇場で家元とともに舞台に上がらせていただき、挨拶や振る舞いについても教わり、師範の資格をいただいたのが2008年。そこからお金を頂戴して演奏や指導をする立場になり、純邦楽業界の先生方にも注目評価いただけるようになりました。

毎年の自主企画「小唄 in 神楽坂」は、入門翌年から現在まで続けており、先日15周年記念の会を終えました。
さらに、三味線のおかげで、2010年からは活動写真の仕事にも加わることになり、海外公演へ。
そして2012年からは流派を離れ、フリーランスの立場で仕事をさせてもらっています。


いや〜まさかこんな人生を送ることになるとは、子供の頃夢にも思ってなかったですね。
音楽やアートに関わりたいという願望はあったけど、ふつうに会社員やってくのかなくらいの考えでしたが、流れに身をまかせていたら、なぜか引き込まれてこうなっちゃった次第で。

すべては、『かぐらむら』のせいですよ。いや、”せい”っていうのは冗談で、”おかげ”なんですけどね。

もし神楽坂に住んでなかったら、
もし『かぐらむら』に関わっていなかったら、
と思うと、ぞわぞわっとしますね。もうだいぶ長くなった、物書きと音楽の両輪生活。まったく別の人生はちょっと想像できません。これでいいのだ、って感じです。

『かぐらむら』のおかげで、人生の不思議なご縁をいただいたのでした。
本当に恩人(恩誌)であります。
今までどうもありがとうございました!

そんなわけで、現役の人間が過去を振り返るようなことをしておりますが、それは今年2018年が、小唄師範として仕事を始めて10周年にあたりまして、この秋冬は小唄の出演が続いています。
このキャンペーン期間(笑)の最後が、11月15日(木)の独演会「小唄一本勝負」。
弟子の米村祐子も三味線替手で出演します。
どなた様も、記念の会をぜひ見届けてください。お待ちしてます!


【小唄一本勝負】koutaippon_flyer_01-180.jpg
宮澤やすみ小唄師範10周年を記念した独演会
11月15日(木)開場19:00 開演19:30
神楽坂キイトス茶房
http://yasumimiyazawa.com/koutaippon.html


posted by 宮澤やすみ at 10:00 | Comment(0) | 小唄・三味線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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