2011年04月06日

大観音寺の本尊、動く。日本橋人形町の秘仏・鉄造観音頭部

(4/22 追記)
人形町大観音寺のご本尊(鉄造観音菩薩)は、震災後5/17まで特別開扉しています。
5/1より住職が毎日2回の護摩修行をするので、火を絶やさぬためにも護摩木の奉納を呼びかけています。本日のNHK放送でお伝えできませんでしたが、この件ぜひ広めていただきご協力ください!


「ご本尊がちょっとすごいことになってる」

と電話をもらい、駆け付けたのはお江戸下町・日本橋人形町の大観音寺(おおがんのんじ)。

日ごろ「やすみくらぶ」や取材でお世話になっているお寺です。

ここのご本尊は、大きな観音菩薩の頭部。
ぼくが著書で「マジンガーZみたい!」と書いた、鎌倉期の貴重な鉄造仏です。
ふだんは秘仏で、美しいお前立のうしろにど〜んと安置されてます。写真こちら。


人形町・大観音寺『東京仏像さんぽ』宮澤やすみ・著 明治書院・刊 より
私の著書(『東京仏像さんぽ』明治書院・刊)より
※この仏頭が本尊になるまで数奇なストーリーがあります。
書ききれないのでこの本を読んでみてください


震災後ご住職に電話すると、冒頭の言葉をいただきさっそく伺いました。

観てみると、この大きくて重たいであろう仏頭が、向きを変えて斜め方向を見ているじゃないですか。

お前立とかほかの仏像は、全く動かなかったのに、ですよ。

こちらの写真で比較してください。


人形町・大観音寺
左が2009年撮影。右が2011年震災後撮影。
正面を向いていたのが少し右を向いてしまった。
中心線はずれず、きれいに回転している。



3月11日、東京都心もかなり揺れました。ウチも食器棚がくずれ、冷蔵庫がドタドタ歩き回りました。

その時、この観音さんも動いたんですね。

さらに、調べてみると向きを変えた顔が、ほぼ真東の方角を向いているそうです。

「さすがに何か意味を考えざるを得ないね」

とご住職。

ただ事ではない、と直感したご住職は、熟考の末「毎月17日のみのご開帳」という固いルールを初めて破って、厨子の扉を開けたそうです。

ただし、ご住職の心配事はほかにもありました。


これがマスコミに取り上げられたりしたら、人々がどう思うだろうか。


今、さまざまな情報が飛び交い、人々は情報の渦にのみこまれて過敏になっています。そこへこうしたニュースがあると、きっといつも以上に過敏に反応する人もいることでしょう。

実物に対峙すると、たしかにいろんな思いがよぎります。


日出る東を向いて、日本の再起を祈っているじゃないか、とか

あまりの事態に、観音様も顔をそむけてしまったのか、とか


きっと人それぞれの解釈があるでしょうね。それが飛び交って噂が噂を呼んで、騒ぎになって、という恐れは確かにありました。

だから、先月までこの情報は内緒にしておいたのですが、
4月8日の「人形町花祭り」で一般公開されることに。

こちらも情報に過敏になっていましたが、次第に自粛ムードに「?」を投げかける論調も見え、街は少しずつ平静を取り戻してきたようです。もう春ですもんね。

だからこの情報も出しました。

あまり過剰に騒ぎ立てることなく、心静かに拝んでみてはいかがでしょうか。


人形町・大観音寺 仏頭
東を向いて、何を思う


(写真は特別に許可をいただいて撮影しました。普段は撮影禁止です)
(本尊開帳は、花祭りなど特別な時を除き基本的に毎月17日です)


タグ:仏像 東京
posted by 宮澤やすみ at 14:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | 仏像ネタなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日、明治座に早乙女太一君を観に行く前に
お参りしてきました。
ご開帳されていて、
ご本尊が奥から心配そうにこちらを見ていました
(のように見えました)。
Posted by ゆう at 2011年04月10日 21:22
あの大きさなのに、奥からはにかむように見てるのがいいですよね(笑)

Posted by やすみ at 2011年04月12日 11:26
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