はい、こちら上演後に撮影した記念写真。はしゃいでおります。
これだけはしゃいじゃうほど、会心の出来だったんですね。
昭和初期そのまんまの、あの時の音が再現できた。
戦前の映画館にいるような感覚になった。
そんなふうな声が聞こえる上演でした。
わたくし宮澤やすみが無声映画に加わるとき、日ごろは映楽四重奏(弁士、ピアノ、太鼓、三味線の四人ユニット)や、ソロ演奏+弁士という編成での活動がメインですが、今回は本格的な楽団です。
編成は、三味線、フルート、バイオリン、チェロ、ピアノ、鳴物という、和洋折衷楽団。
無声映画伴奏の再現に尽力されている湯浅ジョウイチさんが指揮します。
昭和初期に無声映画のために書かれた楽譜が、近年になって見つかりまして、それをそのまんま演奏する、という試みでした。
譜面は、長唄に出てきそうなフレーズをもとに、西洋風の和音やリズムを付けた、これまた和洋折衷の曲なんですね。
私も、小唄という純邦楽のジャンルと、ロックやジャズと両方やってますけど、それぞれ脳内の回路がちがう感じがして、同時に演奏することはあまりないのです。
たとえば、The Buttz(私がやってるロックバンド)で持ち歌演奏してて、突然そこに小唄を合わせるのって、急にはできない。
しかし、こういう和洋折衷曲は、邦楽脳と洋楽脳の両方を同時に働かせる必要があり、最初は理解に苦労しましたが、慣れてくると面白いものです。
当時の映画館では、弁士の語りとともに、こういう音楽が流れていたんですね。
お客様の反応もすご〜くよかったです。
早稲田大学の研究の一環なので、タイトルは非常にお堅いけど(笑)、すごく楽しい、今年最初の、かなり充実感を得られた仕事でした。
【公開研究会
無声期の映画館における和洋合奏:楽譜資料「ヒラノ・コレクション」とSPレコード】
http://www.waseda.jp/prj-kyodo-enpaku/activity/2018_0113.html