2018年05月04日

小学生に小唄の指導-江戸東京を知るなら小唄

前にもちょっと書きましたが、小学6年生の授業で小唄をやりました。
場所は品川区の立会小学校。
こちらは先代の校長先生の方針で音楽教育に力を入れていらっしゃるそうで、みんな歌が上手でした。

日本の音楽教育は、西洋音楽一辺倒ですから、純邦楽の授業ってほとんどなく、そのなかでも、小唄はかなり珍しいことと思います。
小唄って、大人の世界ですからね。吉原に酒ですからね。
でも、やってみたらみんな食い入るように話と歌を聞いてくれました。

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テーマは、「小唄で知る江戸文化」としました。
音楽そのものより、音楽の背景にある江戸文化を知ろうという授業です。

短い小唄は、江戸文化の場面場面を切り取ったスナップ写真のようなもの。
歌詞の中になにが描かれているのか、三味線の手(フレーズのこと)で表現した情景はなにか、そのへんを解説すると、小唄の世界が理解できます。

音楽室で、両国橋のにぎわいを描いた浮世絵をスクリーンに出して、隅田川を歌う小唄を披露。
吉原は、「江戸の最新トレンド発信地」という位置づけで紹介しました。
ちょうど品川区は今「しながわ宿場祭り」が盛んで、花魁道中が目玉なんです。小学生だってお祭りで花魁を見ているんです。その花魁の周辺で歌われていたのは小唄ということで、話がしやすい。

そんなわけで、東京在住の子供たちに江戸の小唄を教えるのはすごく意義がありました。

「みなさんは東京に住んでいるんだから、東京が地元。地元・東京(江戸)の文化を忘れないで」

この言葉が強く響いたようで、あとでいただいた感想文を読んで、ちょっと泣きそうになりました。

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ちなみに、この授業では、小唄のほかに無声映画の紹介もしました。
昭和4年の名作「東京行進曲」の冒頭部分を流して、主題歌を歌いました。
やっぱり動画のインパクトはすごいですね。しかも当時の実写ですから説得力がちがう。
それに合わせて「♪昔恋しい銀座の柳〜」と歌うのです。これは今後も使える最強コンテンツ(?)だと思います。

江戸から昭和初期の東京。子供たちにとってはどちらも大昔の話です。
大きくなっても忘れないでほしいですね。

大人のみなさんも、この授業興味ありませんか? どこでも呼んでくだされば実施しますのでよろしくお願いします!


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三味線演奏体験もやりました。


品川区のニュースにもレポート出てます:
立会小学校 小唄三味線鑑賞会 −しながわ写真ニュース





posted by 宮澤やすみ at 15:54 | Comment(0) | 小唄・三味線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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