2013年12月02日

伊勢神宮と三輪山の神仏たち〜女神がたどった「神仏ルート」を歩く〜後編

伊勢→奈良・山の辺の道ツアー。その2日目。

前日の伊勢神宮→田宮寺→仏像フレンチの夕べから、旅は続きます(前日の旅のレポートはこちら)。

今日行く「山の辺の道」は日本最古の公道で、神聖な古代信仰の山・三輪山を中心に、古代ヤマト王権が栄えたエリア。まさに古事記、万葉集の舞台がここ。
周りには古墳、神社、寺が混在して古代史の世界が体感できるという、私のような神仏古代史好きなんかはもう興奮して訳も無く走り出したくなる(笑)、夢のようなエリアなんですよね。天皇と神、のちに仏が入り混じって日本文化を醸成してきました。

山の辺の道の旅
みんなで歩いてきました!

仏像、神社、ヤマト王権、原始信仰といった、ワクワクドキドキ(なのか?)のキーワードをもとに、今日の旅がスタート!

1.慶派の原点・長岳寺
ただ、スミマセン朝イチはいきなり古代史とはちがうテーマなんですけど、まず長岳寺(ちょうがくじ)へ。
1151年、日本の仏像で玉眼が使われた最古の例として知られています。運慶が若い頃大日如来を彫ったのが1176年ですから、だいぶ古い。平安後期によくあるのっぺりはんなりスタイルとは異なり、キリッと引き締まってはつらつとして、その後の慶派に代表される鎌倉様式の萌芽を感じます。
ツアー参加者の中にもコレ目当ての方がいらして(運慶好きな人、多いんですよね)、すごく喜んでくれました。

山の辺の道の旅
長岳寺本堂
山の辺の道の旅・長岳寺
天井板には、武者の血の足跡が!

ただし、今回のツアーの主旨は、伊勢の神様が元々いたとされる、山の辺の道の寺社を訪れること。いったんバスに乗り込み山辺の道の南端へ向かいます。はい、ここからいよいよ古代史の旅です!

2.古代の交差点・海石榴市観音堂と金屋の石仏

山の辺の道の中心は、古代から信仰されてきた三輪山をご神体として祀る「大神(おおみわ)神社」。その南側を流れる 川に「仏教伝来の地」石碑が立っています。そこから歩いて少しのところにあるのが海石榴市(つばいち)観音堂。
海石榴市とは、日本最古の市場の名前。この地点は縦に山の辺の道が走り、横には長谷、伊勢へ抜ける初瀬道がある。南は飛鳥。文化と経済が行き来する交差点だったんですね。そこで男女の出会いもあり、雄略天皇と娘とその彼氏をめぐる恋の歌も残ってます(その彼氏は天皇に殺されちゃうんだけど)。今でいうと渋谷のスクランブル交差点か、銀座四丁目和光前、ってとこでしょうか。

山の辺の道の旅
「左 はせ いせ 右 ミワ なら」とある道標


観音堂自体はそれほど古いものではなく、観音の石仏は1500年代室町期のもの。地元の人たちによって大事に祀られています。

山の辺の道の旅
堂内に上げてもらい地元の人のお話も聞きました
写真撮影も許可いただけました



その近くにあるのが金屋の石仏。これはもともと大神神社の神宮寺・大御輪寺(だいごりんじ)のもので、三輪山の中腹に置かれていたそう。ご神体そのものである山の中に置かれたってことは、その価値は相当なものですよね。腿のあたりの衣文はいわゆるY字文。衣のしわが股間のあたりに集中して、腿はパンパンに張り出してしわが寄ってない形。このマッチョな下半身が平安前期の特徴なんですね。石仏のなかでもかなり古い部類に入ります。さすが奈良!

山の辺の道の旅
石仏を前に、私が解説させていただきました

山の辺の道の旅
普段は金網越しですが今日は特別に金網をはずして拝観。やっぱり見やすさがぜんぜんちがいますね
山の辺の道の旅
わかりづらいけど、股間のY字文。手は説法印を結ぶ
(クリックで拡大するけど見えづらいです。機会あれば実物拝観ください)


3.三輪山と大神神社

そしていよいよ、山の辺の道の中枢、大神(おおみわ)神社に入ります。
ご神体である三輪山のふもとに、立派な拝殿があって、その裏手に、山を拝むための鳥居がある。この鳥居が重要文化財なんですね。今回は特別に拝殿の裏側まで入り、鳥居を拝観させてもらうことに。
この鳥居は「三ツ鳥居」といって、3つの鳥居が合わさったような形をしています。なぜこの形なのかは諸説あり謎のまま。一説には、密教の影響もあるとかないとか聞きました。

山の辺の道の旅
拝殿は寛文4年(1664年)の再建(国重文)。
神職さんは前を通り過ぎる時に一礼します。


山の辺の道の旅
拝殿の中に上がって参拝

鳥居が文化財ということで、ついつい鳥居を拝むような気になってしまいますが、ご神体はあくまでも山そのもの。鳥居越しに山を拝むというのが正しいです。鳥居は撮影禁止ですが、こんな写真ご用意しました。

山の辺の道の旅
奈良まほろば館(東京)での模型展示。三輪山と三ツ鳥居。
イメージが伝わるでしょうか(クリックで拡大)


大神神社ができるずーっと前から、三輪山は古代人の信仰の中心だったようで、山中から古墳時代の遺物がたくさん見つかるそうです。信仰の原点は、おそらく人々が定住して農耕を始めた弥生時代にさかのぼると思われ、古代の素朴な自然崇拝の形が今に残っています。
近くには、「卑弥呼の宮殿だった?」とも言われ話題になった纏向遺跡もあり、この三輪山を中心に国が起こって、初期ヤマト王権ができたといわれてます。

三輪山と出雲、伊勢

この神社の祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)といいますが、これは出雲大社の大国主命の和魂(にぎみたま)、要するに同体であるとされます。この神様が、『古事記』によると矢の形になって娘と交わったり、蛇の姿になって姫と交わったり、まあいろいろおもしろエピソードがあるんですわ。

さて、ヤマト王権の主祭神は天照大神で、大物主神(=大国主命)は、天照大神に国を譲った側の神。それがどうしてヤマトの中心にいるんでしょう???

そのへんは、またもや諸説あるそうですよ。初期ヤマト王権と、そのあと進出してきた別系統のヤマトがあって、それぞれの神を尊重したとか、出雲や九州など地方豪族との提携で、それぞれの神を祀るとか、いろいろと古代史ミステリーがございます。
今年は箸墓古墳の調査も入ったし、これから徐々に解明されていくんでしょうね(それまで生きていられるかどうか)。

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箸墓古墳。これも蛇体神・大物主神との逸話がある


いっぽう、ヤマト王権の主祭神・天照大神が、今なぜ、ここからはるか東の「伊勢」にいるのか。
このへんも古事記に書いてあります。

もともと、天照大神はこの地にいたんです。
むか〜しむかし、天照大神は天皇と同じ宮殿に祀られていた。あるとき、疫病が流行って国がピンチに。どうやら天皇と同じところに神を祀るのが良くなかったようで、神様が落ち着ける場所を探すことに。それで長い長い旅を経て伊勢の地を見つけ、そこに鎮まったんだそう(※1参照)。

そう、今回の旅は、伊勢神宮から、その「実家」である三輪山を訪ねる旅だったのです。

今でこそ、天の神(天神)・天照大神と、地の神(地祇:ちぎ)・大国主命は出雲と伊勢に分かれていますが、もとをたどれば、ここで一緒だったというわけ。
そう考えると、山の辺の道、三輪山ってすごいですよね。まさに日本(少なくともヤマト)の原点は三輪山なのです。
謎めいた古代史のエキスたっぷり。いちばん濃厚なところですね。

山の辺の道の旅
大神神社近くの大美和の杜展望台に上ると、万葉集の舞台になった大和三山がよく見えます。(画面左から天の香具山、畝傍山、大神神社の大鳥居、あと写ってないけど耳成山がある)クリックで拡大します。

山の辺の道の旅
ここも古代史の現場。第10代崇神天皇(実質的な初代天皇とされる)ゆかりの志貴御県坐神社にもいきました

4.玄賓庵の不動明王

山の辺の道の旅
大神神社からしばらくこういう整備された道が続きます

山の辺の道を北上すると玄賓庵(げんぴんあん、げんぴあん)に到着。平安初期の高僧・玄賓の晩年の庵が原点。現在は高野山真言宗のお寺で、謡曲「三輪」の舞台でもあります。

ここの不動明王を特別に拝観させてもらいました。まず畳敷きの外陣に上がると、ここは日が差して明るいですが、仏像はずっと奥の暗がりにあってぜんぜん見えない。今回はその最奥部まで行かせてもらい、暗い内陣で不動明王と間近に対面。平安中期ごろの作とされ、奈良で最も古い不動明王像だそうです。
有名な東寺の不動明王みたいにどっしり座ってますが、前髪が逆立って、頭の上に載せた蓮の花が勢いよく開いて王冠のようでした。写真撮影NGだったんで記憶しかないんだけど、資料で出回ってる写真よりかは断然迫力と重量感を感じましたね。

山の辺の道の旅
玄賓庵の境内

山の辺の道の旅
ツアー参加のみなさん一生懸命歩いてます

5.元伊勢・檜原神社

玄賓庵からしばらく山道を歩き、たどりついたのは今回の旅の最終地・檜原(ひばら)神社。
ここは、天照大神が伊勢にたどり着く前に鎮座したとされる「元伊勢伝説」の地(諸説あるのでいろんな元伊勢があります)。さっき写真で紹介した崇神天皇の時代の話です。
社殿は無く、石組みと鳥居があるだけ、この四角い石組みは! まさに昨日行ってきた伊勢神宮にあったものと同じ形じゃないですかっ!
その上に、大神神社と同じ三ツ鳥居が立つ。まさに伊勢と大和が融合した形。
実際に目で見て、体感すると感動もひとしおです。
旅を締めくくるのにふさわしい場所でありました。

山の辺の道の旅
神秘的な空気漂う

山の辺の道の旅
みなさんお疲れ様でした。楽しい旅でしたね!


■■■2014年も山の辺の道!宮澤やすみの仏像ツアーと講座案内■■■
【講座】
 3/2(日)山の辺の道・当尾の道をあるく〜大和の古道と周辺の仏像〜

 4/26のツアーに向け、魅力を語りつくす事前講座です。
【ツアー】
 4/26(土)〜27(日) 当尾の里と山の辺の道、古代史&仏像めぐり

 このブログ記事にあるルートを歩きます。
 当尾の石仏、浄瑠璃寺吉祥天(秘仏拝観)、岩船寺も行きますよ


それ以外のツアー情報:
宮澤やすみと行く仏像(神社も)ツアー&講座 − 一覧表
好評実施中です。初めての方も全然大丈夫というか初心者の方対象なので、気軽に参加してください!



※1(補足)
崇神天皇と一緒に祀られていたのは、天照大神と倭大国魂(やまとおおくにたま)神という、二柱(ふたはしら:神さまを数える単位は柱という)です。
天照大神は伊勢へ遷りましたが、倭大国魂神は近隣の大和(おおやまと)神社に遷りました。そして、この大和神社の神宮寺として建てられたのが長岳寺です。

神宮寺=神社を管理するお寺のこと。このレポート(前後編)でいうと、
 【神社】 − 【神宮寺】
 大神神社 − 大御輪寺
 伊勢神宮 − 田宮寺(内宮、荒木田家系)
 大和神社 − 長岳寺
となります。


 
 
 

posted by 宮澤やすみ at 17:00 | Comment(0) | 仏像ネタなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月25日

伊勢神宮と田宮寺の美人十一面観音〜女神がたどった「神仏ルート」を歩く〜前編

自分は日ごろ仏像ツアーのガイドをしていますが、本当に日本を理解するには神社もはずせないです。なので、ツアーでも積極的に紹介しています。

その最たるものが伊勢神宮で、あそこはもともと神仏習合の色濃い場所だったんですよね。
しかも、古事記などによると、伊勢の神さまはもともと奈良にいたという。
平城京でも飛鳥でもなく、奈良「山の辺の道」こそ古代日本の中心地。そこと伊勢の関連を探る旅に出かけました。
古代史的な興味でいっぱいの、伊勢−奈良の古代史ルートを歩く2日間でした。

かなり壮大な旅なのでなかなかレポート書けませんでしたが、まずは初日の伊勢(神宮と田宮寺十一面)のご報告です。

伊勢神宮・奈良ツアー

1.伊勢神宮(外宮)
お伊勢参りは外宮、内宮の順に行くのが通例なので、いちおうそれに従ってます。
今年は式年遷宮フィーバーで伊勢は大賑わい。6月の土日でしたがかなりの人出でした。

ガイディングレシーバー(マイクとイヤホン)を使ったので、境内で大声出さずに解説ができました。

20年ごとに社殿や神宝を造り替えて神様が引っ越しするのが「式年遷宮」。20年経った建物は、古代まんまの木造だからか、すでにボロボロ・・・その朽ちた感じがまたいいんですよね〜

撮影禁止エリアの御垣内(みかきうち)にある建物は、このツアーの直前に屋根に穴が開いたそうで、ネットをかぶせて応急処置したそうです。

伊勢神宮〜奈良ツアー
だいじょうぶ、ここの神様はもうすぐ、隣の敷地の新しい建物に引っ越すんですから(10月5日遷御)

外宮は正式には「豊受(とようけ)大神宮」といって、内宮に祀られる天照大神の食事を司るとされてます。1300年前から欠かさず、日に二回、天照大神を初め伊勢の神さまに食事を捧げる儀式が粛々と行われています。これが「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうのおおみけさい)」というもので、すごいのは、調理の種類ややり方が古代のやり方そのまんまなんですね。火を起こすのも、原始時代(って言い方も死語だね)さながらに、木と木をこすりつけて点けるというもの(火鑚(ひきり)という)。くわしくは伊勢神宮のサイトにいろいろあります。

ちょうど、この儀式でお供えされた神饌(しんせん:お供えした食べ物)のおさがりを頂いていたので、ツアー参加のみなさんにもその場でお見せしました。

伊勢神宮〜奈良ツアー
現物(立派な昆布と干アワビ)をその場で公開。
ツアーのハイライトのひとつ、かな?




外宮の位置付けって、神道の立場だとこんなふうな説明になりますが、古代史的な見方だと別の側面が見えてきます。
もともと土着の信仰があったのを奈良のヤマト王権が進出して、ヤマトの神(天照大神)を祀る一方、土着の信仰も残した、その痕跡が外宮・・・みたいな考え方もあるそうです。
また、壬申の乱で天武天皇が協力者を東国に求めた。勝利した天武天皇が東の玄関口、伊勢を重視したという背景があるとかいろいろ。
古代史はいろんな説があるので、きっとさまざまな異論あると思います。興味ある人は自分で調べてみてくださ〜い。


伊勢神宮〜奈良ツアー
境内には謎の石組があちこちに。謎解きはランチの後で・・・


2.伊勢神宮(内宮)

やっぱり、伊勢のことを書きだすと長い・・・まだ外宮だけだよ。
なんとか簡潔にしますんで、おつきあいください。


バスでおはらい街まで行き、食事を済ませて内宮へ。ちなみに両宮の読み方は「げくう」「ないくう」と濁らず発音するのが正しいそうです。

いよいよ伊勢の中核・内宮へ。正式名称は「皇大神宮(こうたいじんぐう)」といって、皇室の祖先神・天照大神を祀っています(境内にはほかに別宮などいくつかあります)。

こちらもすごい人出でしたよ。6月といえども日差しがきびしく、湿気もあって汗がすごい。この湿気が建物を20年でボロボロにするんでしょう。

伊勢神宮〜奈良ツアー
神苑を、ニワトリさん(神の使い)が歩いてました

宇治橋を渡って神苑奥の御手洗場で手を水にぱちゃぱちゃつけてお浄めをする。ここに来ると伊勢神宮に来たなあと旅気分も上がるんだよね。

伊勢神宮〜奈良ツアー
御手洗場の水が心地よい


伊勢神宮〜奈良ツアー
滝祭宮にて。神前での礼は手を膝前に出すのが通例のようです。
手を横に付けるサラリーマン風は西洋式


滝祭神、風日祈宮(かざひのみのみや)をお参りした後、いよいよ御正宮へ。すごい大渋滞。
ただし動きはスムーズでそんなに時間かからずお参りできました。

ここはもう日本全体を見守るカミさまなんで、彼女が欲しいとか受験合格とかそういったことはお願いできませんね。感謝の気持ちだけで二拝二拍手一拝しとけばよいかと。その後しばし撮影禁止の御垣内を臨み、奥の方に見えそうで見えない巨大な御正殿を、見るというか感じるというか、まあなんかそんなふうにして数分過ごして裏手に回ります(土日などは裏手に回れるよう巡路ができてます)。

伊勢神宮〜奈良ツアー
いよいよこの奥が御正殿


御正宮の裏手にあるのが荒祭宮(あらまつりのみや)。天照大神の荒御魂(あらみたま)が祀られていて、内宮に点在する別宮の中でも第一位。具体的なお願い事はこっちで拝むといいそうです。

神様の魂には「和御魂(にぎみたま)」と「荒御魂」という区別があって、伊勢神宮のサイトによると、
”神様の御魂のおだやかなおすがたを、「和御魂(にぎみたま)」と申し上げるのに対して、時にのぞんで、格別に顕著なご神威をあらわされる御魂のおはたらきを、「荒御魂」とたたえます。”
とあります。

まあなんつうか、神社の言葉遣いは丁寧で、下世話なシモジモの者にはわかりづらいところがありまして、あまり突飛な意訳をするのも恐縮ですが、荒御魂のほうがテンション高めで、ちょっと近寄りがたい感じもあるけれど、普段ちょっと言いづらいお願い事も、うまく切り出せば聞いてくれちゃう、みたいな感じでしょうか。
はあ、言葉づかいに気を遣うね。

荒祭宮を離れると、現れるのが外幣殿(げへいでん)。倉庫の役割を果たす建物ですが、建築に注目。御正殿と同じ「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」を間近で見られる好例です。もうピッカピカに新調されていました。

伊勢神宮〜奈良ツアー
外幣殿を前に一生懸命解説

その隣の御稲御倉(みしねのみくら)も実はもんのすごく重要な建物。
伊勢神宮のお祭りでは、神田で栽培した稲を捧げますが、その稲を貯蔵する倉。なんたって日本の文化の根幹は米ですよ。その稲を収める大事な場所だから、建物もただの倉とはいえ御正殿と同じように屋根の飾りに金があしらわれています。
行かれた時は、社殿だけでなくこうした建物も要チェックです。

あとは石組がありますね。四角く積まれた石組を「パワースポットだ!」と手をかざす人がたくさん。
冬に下見に行ったときも、多くの人がさかんに手をかざしていたので、何をしているのか聞いてみました。
そしたら、
「いや、よくわかんないけど、みんながやってるので・・・」
というお答え。う〜ん、これぞまさしく日本人。日本の中心で典型的な日本人を演じる人たち。

ツアー前に伊勢神宮の関係者に取材しましたが、これは四至神(みやのめぐりのかみ)といって境内域内を守護する神さまを祀る所。しかも石組の上の神籬(ひもろぎ)に神が降りてくる、という古代信仰のままのスタイルなので、石組そのものがどうというものではないそうです。
滝祭宮など一部の別宮も、こんなふうに石組だけのお社になっています。

伊勢神宮〜奈良ツアー
外宮の三ツ石でも似たような状況でした。
これは「ここでお祓いをするよ」という目印(バミり)みたいな意味だそうです


まあたしかにね、ああいう石組を見ると「おおっこれは何かいわくありそう!」って思うもんね。自分も雑誌『ムー』とか好きなクチなんで、気持ちはわかります(^_^;)

内宮境内は広くて、別宮や注目すべきスポットがたくさん。時間に余裕をもってお出かけするといいですよ。

じつは、ほかにも事前取材で神宮関係の方にいろんな話を伺ったのですが、ちょっと公開できない話もあって・・・スミマセン! いつか話せる機会があれば・・・


3.田宮寺

さあここからが、宮澤やすみツアーならではのところ。
ただ伊勢神宮をお参りで終わりじゃないんです。

伊勢神宮〜奈良ツアー
伊勢神宮ゆかりの田宮寺

江戸時代までは、伊勢は一大神仏習合スポットで、いろんなお寺がありました。さっきの内宮にあった、風日祈宮へ行く橋なんか、お寺のお坊さんが受付してて通行料を取ってたんですから。

弘法大師・空海は伊勢神宮と提携して権威づけに成功しています。今でも伊勢の近くに金剛證寺という真言宗の寺がありますよね。
京都の東寺は稲荷神社と結びついてるし、平安初期に新人デビューした空海さん、朝廷や神社を巻き込み独自の経営手腕でのし上がったわけです。
ちなみに奈良の長谷寺は真言宗豊山派ですが、あそこには天照大神を仏像化した「雨宝童子」がいたりします。

ただ、明治の神仏分離で、伊勢のお寺はほとんど姿を消しました。
そんな中、今でもひっそりと神仏習合の形で残っているのが田宮寺です。伊勢神宮の宮司を務めていた一族・荒木田家の氏寺で、伊勢内宮の神宮寺(神社を管理するお寺)でした。
明治期に荒木田家は伊勢神宮から出て行った(出ていかされた?)のですが、そのおかげなのか今もひっそりお堂の奥で、内宮・外宮を守護するとされる二体の十一面観音を祀っています。ふつうだったら明治政府のはたらきで廃棄されてたでしょうに、よく残ったよね。


伊勢神宮〜奈良ツアー
すぐそこに、美人観音さんがいらっしゃってます!(芸能レポーター風)

貴重な美人観音を、特別に拝観させてもらいました。
平安時代の作らしい、肉感的なスタイルの美人さん。衣文のウネウネした線や渦巻き型の「渦文」など随所に平安前期の様式が見られました。


伊勢神宮の喧噪とはうってかわって、田舎のはずれにある小さなお寺で、地元の方々が温かく迎えてくれました。

伊勢神宮〜奈良ツアー
境内には田宮寺神社もある
神社はかくあるべしというような、静寂に包まれた空間。


伊勢神宮〜奈良ツアー
田宮寺には、伊勢内宮のご神体を載せる「御船代」を保管した「御船殿」があった

ゆったりした時間を過ごして、一路奈良へ。

夕食は、宮澤やすみプロデュースの「仏像フレンチ」。
奈良にあるクイーンアリス・シルクロードさんの協力で、今夜だけのオリジナル料理を堪能しました!
オードブルは伊勢神宮の社殿建築「神明造」をテーマに。もはや仏像じゃないんだけどまあ許して。

伊勢神宮〜奈良ツアー
”帆立貝柱と小海老のクスクスタブレ 神明造風”


スープとメインディッシュは仏像をテーマにしましたよ。
翌日訪問する奈良・長岳寺の仏像をイメージして、
伊勢神宮〜奈良ツアー
”冷製 グリーンピースのスープ 玉眼コロッケ添え”

今日の田宮寺十一面をイメージして、
伊勢神宮〜奈良ツアー
”牛フィレ肉の網焼き 十一面観音菩薩風 黒ニンニクソース”

伊勢神宮〜奈良ツアー
旅の話でみんな盛り上がりました!翌日の旅も楽しみです!

Photo by Chie Nagura (料理写真は筆者)

ご一緒に!【日本仏像地図】ツアーのご案内
●群馬:群馬にもいる「見返り阿弥陀」特別拝観ほか阿弥陀仏4体一挙拝観!
●栃木:肉感的でダイナミック!能満寺薬師如来、軽やかな足取り大関観音など
↑Webページを開き「受付中」ボタンをクリックすると申し込めます
 
 
 
posted by 宮澤やすみ at 17:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仏像ネタなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月23日

「日本仏像地図」ツアー・山梨編

大好評の県別仏像ツアー、7月は山梨に行ってきました。
新しい発見と冒険心をくすぐる一日。皆さんも私もすごく楽しみました!
山梨仏像ツアー 

山梨県笛吹市は、あの聖徳太子が乗った甲斐黒駒の産地で、甲斐国衙(政庁)もあり、古代から都とつながりがあった地域です。

そんな笛吹市にある古刹・福光園寺を朝一訪問。
古くから吉祥天をご本尊として発展したお寺(現在は宗旨替えで不動明王が本尊になってます)。
有名な像が、慶派仏師・蓮慶作のこちら。両脇の持国天、毘沙門天も蓮慶の作です。

山梨仏像ツアー 福光園寺
参加のみなさん見入ってます

山梨仏像ツアー 福光園寺
アジサイ咲く中での拝観でした

どっしりとした坐像。まるで如来のような風格がありますね。
山梨仏像ツアー 福光園寺 
(クリックで拡大)

しかし、それだけで終わらないのが福光園寺のすごさ。そもそも創建は推古天皇の時代と云われ、古い時代の像も残っています。
まずは本堂の片隅に置かれた石像。おそらく吉祥天と思われ、古い時代の福光園寺(当初は大野寺といった)の本尊かも?と注目されています。

そして、宮澤がイチオシなのはこちらの「香王観音(かおうかんのん)」。
山梨仏像ツアー 福光園寺 
(クリックで拡大)

観音と呼ばれてるけど、顔立ち服装どう見ても観音ではありません。これもまさに吉祥天そのもので、平安期の古い像です。平安期らしい充実した量感。勢いのある衣文。そして木肌も露わに朽ちかけたその美しさ。
目黒・大円寺で観た十一面さんと重ね合わせしばし見とれました。
山梨仏像ツアー 福光園寺
下見の時も、離れられませんでした。

山梨仏像ツアー 福光園寺
お寺を守る鈴木さんはイベント企画などでお寺と地域を盛り上げていらっしゃいます


次に訪れたのは瑜伽寺(ゆかじ)。
本尊の薬師如来さんが白馬に乗ってる!
寺伝では薬師さんが白馬に乗ってきたというエピソードがあるそう。
その両脇にある、修復が終わった鎌倉期の十二神将が見ものだったのですが、このご本尊(江戸期らしい)もなかなかのものでした。
山梨仏像ツアー 瑜伽寺

山梨仏像ツアー 瑜伽寺
特別に堂内に入れてもらい拝観

別棟に安置された如来像も拝観。もはや何如来かわかりませんが謎めいてステキでした。

3カ寺めは智光寺。本堂脇に安置された虚空蔵菩薩が主役。
クールな顔立ちのイケメンさんで女性客釘づけでした。
山梨仏像ツアー 智光寺
山梨仏像ツアー 智光寺
冠に彫られた如来がカワイイ(笑)

もともと本堂裏手のお堂にあったのをここに移したそうで、虚空蔵さんが乗っていた馬の像はまだそちらに残してあるとのこと。そのお堂は、石段の上にありましたがもう廃屋と化しており、草ぼうぼうで近づくことができません・・・
「登ってのぞけば見えますよ」
とのご住職の言葉に、好奇心旺盛なお客さん達はこぞって丘を登る。すると廃屋の奥に須弥壇と厨子が残されており、いたいた!白い馬の像が!
山梨仏像ツアー 智光寺
息を切らせて高台に上り、ぼろぼろのお堂を覗く
山梨仏像ツアー 智光寺
お堂の奥にかろうじて見えるお馬さん

「お馬さんも降ろしてあげればいいのにねえ」
とみなさんおっしゃってました。ほかにも地獄の十王や石仏などがいました。なぜこれらが取り残されたのかわかりませんが、もう人が踏み入れられない状況なんでしょうか。
ともかく、草ぼうぼうでも高いとこでも、のぞいてみよう!という皆さんの旺盛な好奇心すごいです!


最後に訪れたのは、ぶどうを手に持った「ぶどう薬師」で有名な大善寺。
この日ぶどう薬師さんは非公開でしたが、それでも巨大なお堂にならぶ、日光月光菩薩、十二神将は圧巻!
まるで奈良の大寺院に来たような気分です。仏像好きな参加者も大興奮!
山梨仏像ツアー 
壮大なお堂が山腹に
山梨仏像ツアー 
許可を得て拝観風景を撮らせてもらいました。普段は撮影禁止です

古代から開かれていたこの地には、寺のほか古い神社や古墳もある。
前方後円墳のほか、6月のツアーで訪れた、奈良・三輪山の大神神社と同系列の「美和神社」があり、ますます大和朝廷との関連を感じます。
仏像もいいけど、古代史好きの血がさわぐ、じつに興味深い土地でありました。

山梨仏像ツアー 
ツアー参加で仏像仲間ができる
楽しそうに仏像談義してくれるとぼくもうれしい


「日本仏像地図」。秋もますますディープに楽しくめぐります!
初めての人もぜんぜん楽しめるので、一緒に出掛けませんか?

【日本仏像地図】ツアー秋の予定
●静岡:運慶仏と修善寺、金龍院ほか多数の平安仏を浴びる(満席)
●群馬:群馬にもいる「見返り阿弥陀」特別拝観ほか阿弥陀仏4体一挙拝観!
●栃木:能満寺ダイナミック薬師如来、踊るような足取り大関観音など

撮影:Chie Nagura

 
posted by 宮澤やすみ at 16:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仏像ネタなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月15日

好評の「仏像フレンチ」。こんな感じでやってます

ぼくのオリジナル企画で「仏像フレンチ」というのがあるんですけど、あまりネットで紹介されてなかったので、ここでまとめます。

仏像フレンチ「仏像フレンチ」とは、毎回テーマに採り上げる仏像をモチーフに、オリジナルのフランス料理を楽しむというもの。主催社によって「仏仏ランチ」とか呼び方が変わることもあります。

ほら、フランスも「仏蘭西」って書くでしょ? 仏×仏をかけたわけでしてね。ほんの冗談なんで、どうもスミマセン。
もともと仏像とフレンチやワインが大好きな私が(思いつきで)考えた企画です。

とくにツアーでは好評で、いくつも仏像拝観して、その余韻のなかで「仏像フレンチ」が出ると、あの寺のアレだね!と皆さんよろこんでくれます。

まあともかく写真をご覧になればわかるかと。

1.地元・神楽坂の毘沙門天フレンチ

仏像フレンチ

上の写真は、神楽坂の善国寺・毘沙門天をイメージした、
 天使エビのフリット 毘沙門天風
ぷりっぷりのエビをカダイフ(細いパスタのようなもの)でくるんで揚げてあり、カダイフのとげとげで毘沙門天の鎧をイメージ。
クミンでエスニックな風味を、パプリカや赤ピーマンソースの赤色で寺門の赤を表現しています。
2012年1月にクラブツーリズムさん主催の神楽坂散策ツアーで実施。店は近隣の「Ensemble」というお店(現在閉店)。
ちなみに、この店のオーナーシェフは、今行列の人気店「俺のフレンチ銀座店」のセカンドシェフとしてご活躍です。どれだけおいしかったか、想像に難くないでしょう。

次に、こちらは何をイメージしているか、わかりますか?

2.天平の人気仏像がフレンチに

仏像フレンチ

豪快な一皿は、興福寺のスター・阿修羅をイメージした
 三面の豚肉料理 阿修羅をイメージ
3つの顔をもつ阿修羅をイメージして、三種類の豚肉料理(煮込み、スモーク、焼き……だったかな…)をまとめてもらいました。 
担当したのは、神楽坂で豪快な盛り付けが人気の「ビストロ・ド・バーブ」さん。

仏像フレンチ
気軽なビストロで、ワイワイ仏像談義!


3.「仏像フレンチ」始まりは福岡

もともと、この企画をはじめたのは2010年。西鉄旅行さんと組んで起ち上げた仏像サロン「やすみくらぶ」の福岡ツアーで実験的に始めたのが最初です。
福岡の「シェ・ラパン」にて、有名仏像とフランスワインを合わせる、という異種マリア―ジュの会でした。
たとえば、
唐招提寺の巨大な千手観音には、王道のブルゴーニュ・コート・ド・ニュイの重厚な赤を、
東大寺戒壇院の四天王には、キリッとした白ワイン、アルザスのゲヴルツトラミネール、とか……。
仏像フレンチ
この時は夜の開催でほとんど仏像飲み会って感じでした

ま、ほんと冗談企画なので、ほんと勝手なイメージだけなんですけどね。

その後、東京のサンケイリビングさんが乗ってくれて、ワインでなく料理と合わせることに。
広尾の「restaurant J」さんにご協力いただき、私が仏像のイメージや特徴をお店に伝えて、シェフがそれを形にする。
「restaurant J」の橋本シェフは、毎回私が出す難問(?)に果敢に挑戦してくれてます。


4.おしゃれスポット広尾で仏像三昧

先日やったのは、広尾・恵比寿界隈にある石仏「庚申塔」をイメージ。マニアックなテーマです。
デザートなんか、ほら↓

仏像フレンチ

 石仏風くるみのクグロフ、黒ゴマのジェラート 青面金剛の矢つき

くるみの食感がアクセント、色合いもまさに石仏。「青面金剛(しょうめんこんごう)」は庚申塔に彫られる本尊で、手に弓矢を持つのです。庚申塔の画像はネットで検索を。
チョコレートの矢は一本ずつ手作りだそうで、難題を出しちゃってどうもスミマセン。

5.そして仏像の都・奈良へ!

最近はいよいよ奈良にも進出しました。
2013年6月8日、クラブツーリズムさん主催の「宮澤やすみ同行伊勢神宮と山の辺の道ツアー」にて、
東大寺近くの「クリーンアリス・シルクロード」さんで仏像フレンチディナー。

仏像フレンチ
 牛フィレ肉の網焼き 十一面観音菩薩風 黒ニンニクソース
メインディッシュは、中心のお肉を「本面」として、周りに10の付け合せ(小面)が取り囲む11面スタイル。

仏像フレンチ
 冷製 グリーンピースのスープ 玉眼コロッケ添え
これはウケました!目玉が浮いて、ちょっとキモチ悪い感じがまたいい(笑)

いや〜さすが仏像の本場。こちらの意図をうまいぐあいに汲み取ってくださいました!
ぼくのツアーは神社も行くので、伊勢神宮の社殿もフレンチに。もはや仏像じゃないけどこれも「仏像フレンチ」の一環てことで。

仏像フレンチ
 帆立貝柱と小海老のクスクスタブレ 神明造風
神社社殿の千木と鰹木をうまく表現しました。


そんな感じで、仏像好き神社仏閣好きのお客様にとても喜んでもらってます。
寺社めぐり=精進料理の昼食というのもいいけど、たまにはこういうのもいいですよね。
ぼくの仏像ツアーは学び+お楽しみをバランスよく、というのがモットーなので、これからも楽しんでもらえるように企画していきたいと思います。

リンク:
俺のフレンチGINZA(銀座)
ビストロ・ド・バーブ(神楽坂)
ビストロ・シェ・ラパン(福岡)
restaurant J(広尾)
クイーンアリス シルクロード(奈良)

2013年9月 参加者募集中
「宮澤やすみ同行・興福寺仏頭展+仏像フレンチ」ツアー

あの「山ちゃん」こと興福寺の国宝・仏頭が東京にやってくるのを記念して、
都内の白鳳仏と鉄造秘仏の特別拝観+仏像フレンチ+国宝仏頭展ツアーを実施。
フレンチの後は「国宝・興福寺仏頭展」をより深く楽しむためのプチ講座もいたします。
まさに秘仏+講座+フレンチ+国宝の4種盛り合わせ。白鳳を味わう仏像サロンです!
詳細はこちら

※10月には神楽坂仏像神社めぐり+仏像フレンチを予定しています。

「仏像フレンチ」は宮澤やすみの発案のもと旅行、出版、イベント各社様の主催で実施しています。
ウチでもやってみたい!という企業様、プロデューサー様、気軽に声をかけてください。ご一緒できたらうれしいです! →ご連絡はこちら
 
 
posted by 宮澤やすみ at 17:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仏像ネタなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月13日

「日本仏像地図」ツアー・埼玉編

更新滞ってましたが、5月12日は仏像ツアーで埼玉へ。暑かったけど楽しかった!

まずは桶川市の泉福寺へ。
荒川の流れに面した立地で、駅前の住宅地の様子からは想像できない、規模の大きい寺でびっくりしました。9世紀開創で、関東天台宗の中心だった大寺院です。
国重文の阿弥陀さんは、いかにも平安期らしいおっとり顔でのんびり(?)座ってました。
「日本仏像地図」埼玉ツアー
「定朝様式」というやつです

つぎは滑川町の泉福寺へ。寺名が同じだけど関連はないそうです。
こちらはキリッと精悍な顔立ちで、衣文線もやや複雑。先の桶川の像と比べると、鎌倉初期の像かなと推定できます。
「日本仏像地図」埼玉ツアー
町の教育委員会のご協力で特別拝観できました

こんどは川口市に移動し、地蔵院に伝わるナゾの不動明王拝観へ。
不動明王といえば、「不動」ってくらいだからどっしり構えた姿がふつうなのに、ここの不動さんは、剣をふりあげてます。
しかも、髪の毛が風になびいてすごいことになってる(寝グセじゃないよ)。こんな不動明王像は全国レベルでめずらしいでしょ。

「日本仏像地図」埼玉ツアー
過去の取材で撮影させてもらった画像

なぜこのスタイル? いつ、だれが造ったのか?その答えはまったく不明。
ただいま研究真っ最中という、ある意味、今一番ホットな仏像であることはまちがいありません。
こういう場合は、「わからなさを楽しむ」のが一番。かえって観る人の想像をかき立てて、ツアー参加のみなさんも夢中で拝観。
ナゾのお不動さんを囲んで、仏像談義が盛り上がりました。

「日本仏像地図」埼玉ツアー
一般非公開ってこともあり、食い入るように見入ります

「日本仏像地図」埼玉ツアー
こんな看板も用意してくださって、歓迎感謝!

最後は川口の興禅院。これぞ「ザ・平安」というべき、教科書どおりのきれいな平安(定朝)様式釈迦如来。
今回は特別に壇に上らせてもらい、間近で拝観。普段できない禁断の行為に、これまたみなさん大興奮でした!
「日本仏像地図」埼玉ツアー
こういうことは日ごろできないですねえ

今回は、4ヶ寺とも仏像撮影OKいただけました。地方のお寺はこういう計らいもうれしいですね。
参加のみなさんには、狭いお堂で興奮しすぎないよう、マナーをわきまえた撮影をお願いしました。
撮影可不可の方針はお寺によってまったく異なりますが、やっぱり撮影できると一般参拝者にとってはうれしいですよね。

こうした地方の仏像は、個人での拝観ができない場合が多いです。その理由は、人手がなくていちいち対応しきれない、というのが大きな理由のひとつのようです。あとは盗難の問題もあって、誰でもウェルカムとは残念ながらいかないのも実情。
団体グループで訪れれば、お寺さんもその日だけ対応をがんばればいいので、負担が少ないのですね。

「日本仏像地図」。これからも各地を訪ねる予定ですので、もしよかったら初めての人も、一緒にいかがですか?

クラブツーリズム主催:宮澤やすみの仏像ツアー&トーク&ときどき三味線ライブ

(追記)
私が出演しているNHK総合(首都圏)「ひるまえほっと」で、地蔵院さんと興禅院さんその他(これがまたすごい)を紹介する予定で準備中です。今のところ6/21金AM11:05オンエア予定(変更の可能性もあります)



posted by 宮澤やすみ at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仏像ネタなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする